お箸や鉛筆の持ち方は能力アップの鍵?!

幼児期は、人間の基礎的な能力や習慣が形成される極めて重要な時期です。この時期に身につける生活習慣や運動能力は、その後の成長や学習に大きな影響を及ぼします。その中でも、「お箸」と「鉛筆」の持ち方は、幼児教育における基礎的な指導項目として非常に重要ですし、お子さまの能力アップにも影響すると考えます。
今回は「持ち方」についてお話したいと思います。

目次

お箸の持ち方の重要性

1. 手指の巧緻性を高める

お箸を正しく持つことは、指先の器用さ(巧緻性)を育てるのに最適な方法の一つです。正しい持ち方を習得するには、親指・人差し指・中指を適切に使い分ける必要があり、これにより微細な動作のコントロール能力が向上します。巧緻性が高まると、他の細かい作業(ボタンをとめる、紐を結ぶ、ハサミを使うなど)にも良い影響を及ぼします。
手や指の神経は脳と密接につながっているため、手先を動かすと脳が刺激されます。
以前の投稿にもありますが、指先の運動は本当に大切です。

2. 食事の姿勢とマナーの基本

お箸の正しい使い方は、単に食べ物を口に運ぶ手段としてだけでなく、食事中の姿勢やマナーにも関係します。正しく持てないと、身体を前に倒したり、食器を持ち上げたりといった不自然な姿勢になりがちです。また、日本の文化において、お箸の使い方は「しつけ」の一環としても重視されており、家庭や社会の中での基本的なマナーを学ぶきっかけにもなります。

少し話がずれますが、友人や仕事関係の方と食事をする際、相手の食事の仕方を見てがっかりしたり、「やっぱりこの人は人間的にも素晴らしい人だな」と感じたりします。
クチャクチャと音を立てて食事をしたり、お箸を持ったままジェスチャーをしながら話をしたり、肘をつきながら食べたり。そんは大人いないでしょ!!と思われるかもしれませんが、実際います。
そして、その方はお子さんがいらっしゃいます。多分ご自身がマナー的に間違ったことをしているとは思っていないでしょう。しかし、そのお子さんは大切なマナーを教えられないまま育つんだろうなと思うと、残念です。
皆さんも、もう一度自身を振り返ってみてくださいね。
私も、また改めて自分の「食べ方」を見直したいと思います。

3. 自己肯定感の向上

お箸を正しく使えるようになることで、「自分でできた!」という成功体験を子どもに与えることができます。このような達成感は、自己肯定感の土台となり、他の学習や生活習慣の自立にも好影響を及ぼします。

鉛筆の持ち方の重要性

1. 書字能力の基礎を作る

鉛筆の正しい持ち方は、文字を書くための第一歩です。筆圧や線のコントロール、手の動かし方など、すべての書字動作は正しい持ち方から始まります。誤った持ち方を習慣化してしまうと、後から直すのが難しくなるだけでなく、字が汚くなる、長時間書くと疲れる、手が痛くなるといった問題が発生しやすくなります。

幼いお子さんは、まだ力がなくて、指三本で鉛筆を持つことがあります。
ですが、三本の指で鉛筆を持つと、どうしても手首の可動域が狭くなります。
塗り絵をしてみてください。上手に鉛筆を持てているお子さんは手首が柔らかく動いていて、色も上手に塗れているはずです。

2. 学習の集中力と持続力に影響

鉛筆の持ち方が正しくないと、筆記中に余分な力が入ったり、不自然な姿勢をとったりして、集中力が途切れがちになります。逆に、持ち方が正しければ、無理のない姿勢で長時間集中して書くことが可能になります。これは、就学後の学習にも直結する大切なポイントです。

3. 成功体験と達成感の積み重ね

自分の名前をきれいに書けたとき、文字が上手になったと褒められたとき、子どもは大きな喜びを感じます。その喜びは、書くことへの意欲につながり、さらなる学びの原動力となります。正しい鉛筆の持ち方は、そうした成功体験の「入口」となるのです。

持ち方指導のタイミングとアプローチ

1. タイミングは「興味を持ち始めた時」がベスト

子どもによって成長のスピードはさまざまですが、一般的には3〜5歳頃からお箸や鉛筆への興味が高まってきます。この時期に「正しい持ち方」を意識して教えることが、自然な習得につながります。
とにかくクセがつく前に、直してあげないと、後で修正するのは難しいですし、時間もかかります。

2. 遊びや生活の中で無理なく教える

「練習しなさい」と強制するよりも、遊びや生活の中に取り入れて楽しく学ぶことが効果的です。たとえば、豆をお箸で掴んだり色鉛筆でお絵描きをする中で、自然とさりげなくアプローチしてあげることが大切です。

3. 保護者・教育者の協力が不可欠

正しい持ち方の習得には、周囲の大人の理解と協力が欠かせません。家庭と園・学校での指導が連携していることが理想です。一方では正しい持ち方を教えているのに、一方では見ていなくて、間違った持ち方をしていても注意しないというケースもあります。

正しい持ち方をサポートする道具の活用

現在では、正しい持ち方をサポートする様々な補助具が市販されています。お箸補助具(持ち方矯正グッズ)や、鉛筆の持ち方補助グリップなどを活用することで、自然と理想的な指の配置を学ぶことができます。ただし、補助具に頼りすぎるのではなく、あくまで「補助」として使用することが望ましいです。

最後に:一生の宝になる「正しい持ち方」

お箸や鉛筆の持ち方は、幼少期に正しく身につけることで、その後の生活にわたって大きなメリットをもたらします。見た目の美しさや姿勢だけでなく、身体の使い方、集中力、そして自己肯定感にまで影響を与える重要な基礎スキルです。
「食べ方が美しい」「鉛筆を正しく持って字が綺麗」「姿勢が美しい」これは男女問わず大人になってからも宝となります。
ぜひ、今一度お子さまの「持ち方」をチェックしてみてください。

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この記事を書いた人

ふみ先生
17年前までは普通の主婦として家庭を支えていましたが、子どもたちの成長を見守る中で、介護福祉士として数年働いた後、幼児・小学生向けの天才児育成に特化した塾で10年間講師を務めました。現在は個別の家庭学習指導を行い、3年ほどの経験があります。
私の教育に対する思いは、幼児期からの思考力や計算能力の育成が、その後の学業や受験に大きく影響すると信じていることです。特に、親子間の会話や日常生活での学びが重要であり、楽しく無理なく学ぶ環境を提供することを心がけています。
近年、働くお母さんが増え、子どもとの時間が取りにくくなっている現状を理解しており、そのような親御さんをサポートしたいと考えています。私自身も2人の子育てを経験しており、娘は公立外国語大学に進学し、息子は東京大学に進学しました。この経験を活かし、他の親御さんのお手伝いができればと願っています。
現在は「サニーサイド」の代表講師として活動し、子どもたちが楽しく学べる環境作りに力を入れています。私の経験と知識を活かして、多くの子どもたちとその家族に貢献できることを嬉しく思っています。

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