子どもたちの中で、特に得意・不得意に分かれるのが「図形」
「計算はできるのに、図形になると急に分からなくなる」という声をよく耳にします。
プリントに書かれた図形を見て「あ・難しそう。。。」と勝手に脳が判断しちゃて
「図形嫌い」→「算数難しい」→「算数嫌い」となってしまいます。
理由は単純で、「図で見ても実感が持てない」から。
黒板や教科書に描かれた図をみても、立体として頭の中で思い浮かべることができない。展開図と立体が結びつかない。こうしたつまづきは、決してその子の能力が低いからではありません。多くの場合、「立体を実感として理解する経験」が不足しているだけ。
図形は“イメージできるかどうか”で理解の差がとても大きく出ます。
だからこそ、幼い頃から遊びとして図形を取り入れると、各段に空間認知能力がアップします。
今は知育玩具がたくさんあり、それを利用しない手はありません。
今回はそんな知育玩具についてお話しようと思います。
1. 正多面体という学びの壁
まず、正多面体は公立の小学校ではあまり見かけませんし、中学校では導入程度。実際に単元として出てくるのは高校に入ってからでしょうか。私立の小学校ではパズル形式で導入として出てきたり、中学校で単元として出てきたりします。
そこでプリントや板書だけで学ぶと、正多面体は「覚えるもの」となりがちです。
どの立体が正多面体なのか、なぜその数しか存在しないのか、といった本質的な理解まで届かないまま、学習が進んでしまい、なんとなく終わってしまったとなることが少なくありません。
正多面体は、小学校高学年から中学・高校にかけて登場する重要なテーマです。面・辺・頂点といった基本的な概念に加え、空間的な把握力が求められます。
2. ある知育玩具との出会い
そんな中、正多面体の学習においてとても力を発揮する知育玩具があります。商品名はここでは控えますが、正三角形・正方形・正五角形の同じ形の面がたくさんあり、それを辺でつなぎ合わせ、立体を自由に組み立てたり、分解したりできる教材です。
マグネットになっているので、組み立ても取り外しも簡単。幼児でも扱えます。
実際の指導の中でも、この教材を使うと、子どもたちの反応が明らかに変わります。最初は戸惑っていた子が、手を動かしながら「こうなってるんだ」と気づく瞬間が訪れるのです。
3. この教材の特徴
この知育玩具の大きな特徴は、
- 同じ形の面だけで立体を構成できること
- 辺同士を簡単につなげたり外したりできること
- 試行錯誤しながら形を変えられること
にあります。
子供の力で簡単に取り外しができるということは結構重要で、ここに時間がかかると、新しい形を作っていく意欲がどんどんなくなってしまいます。
またカラフルなのも重要で、違う面だということが簡単にわかりますし、この辺とこの辺がくっつくのかということも理解が早くなります。
4. なぜ正多面体の学習に役立つのか
そもそも正多面体は全部で5種類しかなく、この5種類が「どうして5種類なのか」を考えるというより、覚えてしまおうという傾向にあります。
正三角形、正方形、正五角形、それぞれの形を組み合わせていくと、一つの頂点に集まる面の数がわかってきます。
それが分かってくると、どうしてその枚数じゃないとダメなのか、どうして正三角形の集まりの正多面体は3つできるのか、正六角形だと正多面体はどうしてできないのか・・・?
そんなことが、手を使って組み立てて、目で見て確かめてしっかりと理解できるようになります。
これができていると、中学校、高校で正多面体の単元に入ったとしても、なんの抵抗もなくすんなりと取り組めるのです。
こういったことが、暗記ではなく実感として身についていきます。これは、後に学ぶ展開図や表面積、体積の理解にも大きくつながります。
5. 「見る」から「触る」学びへ
最近は、スマホやタブレットを使った学習が当たり前になっています。便利で分かりやすい反面、「分かったつもり」になってしまうこともあります。
一方で、手や指先を使って学ぶ経験は、思考を深める力を育てます。実際に触れ、動かし、失敗しながら形を作ることで、脳の中に立体のイメージがしっかりと残ります。
タブレットがダメというわけではなく、タブレットと実際に触れながらの体験のいいとこ取りをしてももらいたいと思います。
6. 幼少期の経験がその後の理解を支える
こうした知育玩具は、決して受験のためだけのものではありません。幼い頃に立体に親しんだ経験は、高学年や中学生になったとき、必ず土台として生きてきます。
「昔、触ったことがある」「見たことがある」という記憶があるだけで、図形への心理的なハードルは大きく下がります。
プリントばかりの勉強だけではなく、こういった体験から得られる勉強も大切にしていただきたいですし、こういった体験での勉強は保護者との関わりも増えるので、遊びながら話をしたり、一緒に考えたり、コミュニケーションの発達にも役立ちます。
7. 家庭教師として大切にしていること
私は、勉強を「分からないものを我慢して続ける時間」ではなく、「少しずつ分かるようになる時間」にしてあげたいと考えています。
図形が苦手な子ほど、丁寧に、寄り添いながら、実感を伴う学びを積み重ねていくことが大切です。これからも、一人ひとりの理解のペースを大切にしながら、こうした教材も取り入れ、子どもたちの「分かった」という笑顔を増やしていきたいと思っています。

